人的資本経営ラボGROWIN' EGG

人的資本経営(Human Capital Management)

文/米川春馬

人的資本経営(Human Capital Management)とは、人材こそが企業における価値創出の源泉であると位置づけ、戦略的な「人材への投資」によって人的資本を厚くし、その人的資本が生み出す価値を最大化させることによって、事業成長と企業価値向上を実現する経営を指す。

人的資本経営では、最重要資本である人への投資の方法次第で、彼らが生み出す価値の質や量がまったく異なる、という前提に立つ。人的資本に対する投資には、単に金銭(報酬など)だけではなく、教育機会、よい労働環境なども含まれる。

人材がどのように価値創出に貢献するかは、人々の能力(スキル、技能、経験、行動など)はもとより、心理的な状態、働く環境などによって大きく左右される。したがって、人的資本経営では、育成投資、仕事や組織へのエンゲージメントを高める組織開発、労働時間や働く場所などの労働条件を含む「働きやすさ」の実現、といった複線的な取り組みが必要である。