人的資本経営ラボGROWIN' EGG

情報開示をする相手って誰なの?

人的資本の情報開示には、様々なステークホルダーが存在する

人的資本の情報開示では、投資家や株主など、主に金融市場に向けて情報を発信し、企業価値向上(株価の上昇)を目指す、という話が先行しがちですが、情報開示とコミュニケーションを行うべきステークホルダー(企業における利害関係者)は、そのほかにも多数存在するといえます。

社内の従業員はもちろん、これから自社に入社してくれるかもしれない潜在的な入社希望者に対しても、会社における人的資本がどんな状態かを発信することは重要なメッセージとなります。自社のお客さまや取引先も、情報を届けるべき先といえます。教育や介護など業種によっては、行政や自治体からも人的資本の状態に関心を持たれることがあるでしょう。

開示をきっかけに、継続的なコミュニケーションを

大切なのは、情報開示をきっかけにこれらのステークホルダーと対話をすることです。今は開示に向けての準備に取りかかったばかりという会社が大半ですが、今後、人的資本の情報が蓄積されることによって、経年での変化や改善の状況、他社との比較による課題なども見えてくるはずです。これらの情報をただ淡々と公表するだけでなく、様々なステークホルダーとの積極的な対話の材料とすべきです。相手から意見やアイデアをもらって新たな改善策を見つけられることもあるでしょう。継続的な開示とコミュニケーションによって、人的資本の状態がさらによくなる、という好サイクルを作れることが理想です。