人的資本経営ラボGROWIN' EGG

オフィスに来てもらうための仕掛けとは?

イベントレポート「第1回スクランブルエッグ」(2)

「人的資本経営ラボGROWIN' EGG」編集長の羽生祥子と副編集長の石原直子が、気になるゲストをお呼びして、熱いトークを繰り広げながら企業事例やお役立ち情報をお届けするオンラインイベント「スクランブルエッグ」がスタート! 2023年2月28日の第1回は、2人のスペシャルゲストをお招きした。本記事では2人目のゲスト、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスEX&HRマネージャー・岡田美紀子さんと「ハイブリッドワークにおける関係性構築」をテーマに対話した内容を紹介する。
聞き手/羽生祥子(「人的資本経営ラボGROWIN' EGG」編集長)
    石原直子(「人的資本経営ラボGROWIN' EGG」副編集長)
文/米川春馬

大事なのは「オフィスは楽しい!」と感じてもらうこと

――実は私は最近、転職したんです。基本はリモートワークで、転職後の最初の4カ月は、合計で4回くらいしか出社しませんでした。そうすると、仕事上の関係の濃い人とはつながれるんですが、それ以外の仲間たちとは関係がなかなか作れないんですね。ところが先日、全社イベントがあり、社内のいろんな方々とリアルで初めて会いました。そうしたら、たった一度会っただけなのに、多くの方と関係性ができてきたと感じられたんです。ですから、岡田さんのおっしゃることはよくわかります。対面で顔を合わせないと、関係性の構築は本当に難しいですよね。これからは「チームの関係性構築のために、オフィスで顔を合わせて過ごすことも大事だ」ということを改めて伝える必要がありそうですね。

岡田:おっしゃるとおりですが、ただ関係性づくりのためだからといって出社を強要すると、その瞬間に間違いなく反発が起こります。そこが難しいんですね。

いま私たちが行っているのは、「オフィスに来ると楽しくて、いいことがある!」と思ってもらえるような仕掛けです。たとえば、「役員がオフィスにいるDay」を始めました。役員に気軽に相談したり、提案したりできる日です。また先日は久々にタウンホールミーティングを開きました。ほかにもいくつかの仕掛けを進めている最中です。

――そういう状況では、リーダーこそ大変なのでは?

岡田:そのとおりです。ですから、私たちはマネージャー研修を変えました。第一に、リモートワーク下のマネージャーの大変さを認め、本人のウェルビーイングを高めるプログラムにしています。マネージャーは、メンバーが自宅でどのように働いているのかをよく知らないまま評価し、サポートしなければなりません。その大変さを理解していますよ、と最初に伝えるプログラムにしたんですね。第二に、そのうえで、今後のハイブリッドワーク下で関係性をつくるためにどうしたらよいのかを伝えています。

「スクランブルエッグ」は今後も2~3カ月に1度の間隔で開催予定だ

――ユニリーバの取り組みは、パーパスを大事にしながらも理想論で固めず、課題にしっかりと向き合って実践的に対応している点がすばらしい、と感じました。

岡田:私は(スクランブルエッグ第1回の前半に登壇した、センチュリー21 代表取締役社長の)園田さんのお話が面白かったです。私たちのやり方とは違いますが、一人ひとりが仕事に没頭してやりがいを持つことを大切にしている点、そして仲間たちの関係性を大切にしている点では、実は2社は共通している、と感じました。

――センチュリー21とユニリーバ。今日の2社は全然違う取り組みとスタンスで、でも岡田さんのおっしゃるとおりに共通点もあって、まさに「スクランブルエッグ」でしたね。

  • 岡田 美紀子さん

    ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社/EX&HRマネージャー