800人のフランチャイズ社長たちを束ねる真髄とは?
イベントレポート「第1回スクランブルエッグ」(1)
石原直子(「人的資本経営ラボGROWIN' EGG」副編集長)
文/米川春馬
働き方改革の時代でも、「仕事に打ち込む」ことは変わらず大事
――フランチャイズ各社の現場の皆さんをどのように育てているのですか?
園田:一言で言えば、営業するときには「気持ちの余裕」を持つことが大事なのではないかと思います。お客様の大切な財産を取り扱わせていただいている意識を持ち、一人ひとりのお客様への心配りや優しさを忘れないことが肝要なんですね。忙しいとどうしても心の余裕をなくしがちですが、仕事にやりがいを感じていれば、忙しくても心の余裕を持つことは可能なのではないでしょうか。
――最近よく語られる「ウェルビーイング」についてはどう考えていますか?
園田:ウェルビーイングという言葉が出てくるずっと前から、私たちはウェルビーイングを大事にしていますよ。
つねづね思うのですが、人が緊張感を持って一生懸命に仕事をしている姿は美しいものです。
周りもその美しさに触発されて、緊張感を持って働くようになります。美しく働く従業員が増えれば、美しい職場環境ができ上がります。この一連の美しさこそがウェルビーイングにつながる、というのが私の考えです。精神的に豊かに生きていくためには、やりがいのある仕事に真剣に取り組むことが第一なんです。
――おっしゃるとおり、仕事はウェルビーイングを構成する大事な要素です。センチュリー21はどのような働き方を推奨しているのですか?
園田:働き方改革は大事なことですが、一方で勘違いにつながりかねない、とも感じています。働く場所の選択肢が増えたことは何の問題もありません。だからといって、仕事への緊張感や一生懸命さを失ってはいけません。一人ひとりが勤勉に仕事に打ち込み、成果を出し、責任を果たして達成感を味わうことが、長く日本の原動力となってきました。この点は、決して変えてはいけないんですね。ちなみに、当社では新型コロナウイルス感染症予防策として一時的に在宅ワークを行いましたが、2022年秋からは100%出社としました。
――その毅然とした態度が大事なのですね。
園田:私たちは、お互いに顔をつきあわせて仕事をしたほうが生産性が高まると判断して、100%出勤に戻したんです。もちろん、今後の状況や環境の変化に応じて再び変える可能性もあります。